今年のKYC Spring Regattaは3/23-24の2日間でIRCクラスの参加艇11艇で4レース行われました。
HPR40軍団の参加チームは、多数の国内トップセイラーが乗り込むSLED、関西の名門SWING、そして昨年の最終レースの下マークでミスって3位へと転落したMART SPIRITのHPR40クラスが3艇とX35などのミドルボートクラス8艇で全11艇の参加と少数精鋭な感じとなりましたがHPR40クラス3艇は今年もバチバチでタフなレースの連続となりました。
毎年どのチームもオフシーズンの間にしっかりとメンテナンスや改造を施しシーズンインのKYC Spring Regattaに照準を絞りテストセイリング/準備してきます。
そんな楽しみなレースシーズンを期待しておりましたが天気はというと・・・
初日の朝からあいにくの雨模様。。。
風は北東から12-16ノットといいのですが雨雲から冷たい雨とともに吹いてくる風が濡れてる状態でさらに冷たい。
ヨットレースというより修行のようなレースでした。笑
レースの方は上下コースで2レース。
1レース目
北東のシフティーな風で1.2マイル。雨で視界も悪く上マークは見えない。そして淀川の流れも速い。
リグは12ノットにセット。J2、A1.5をチョイス。
スタート前に右からパフが入り始めたが、コース的には左海面をキープしたかったのでアウターサイドからスタート。
スタートした瞬間は本部船側から出たSLED、SWINGに負けている位置関係。徐々にヘダーしていく。
大きなプレッシャーが入ってタック。SWINGの前を切り、SLEDは下受、風はパフとともに10度程度のシフトを繰り返す。
他艇のポジション、コース、風に対してモードを切り替えながらしばらく並走。
風速レンジが落ち始め新たに左からパフが入りそうだとタクテシャンのコールで左に一段。しかし若干オーバーセイルしてしまい上マークへ。
Portからのタックセット、相手はSTBのノーマルセットでホイストで距離的にも低さ的にも詰められる。
先にSLEDがジャイブして内側のパフを取りに行く。我々は一文字に沿った流れに乗り(風も含めた)ゲイン。しかしこの日はクルーワークが上手くいかない。一言でいえば「コミュニケーション不足」なのですが細かいアクションミスにより意思疎通の遅れやグラインダーワークの確実性が上手くいかず若干のオーバーセイルから下マークのテイクダウンミスでオーバーラン!
ロスは最小限に留めたつもりでもリズムが悪くなる。
左からパフが入ったため後続艇が先にリフトしていく状況で一気に追いつかれる形となる。
上マークではなんとかトップを死守。しかしテールtoノーズで不利な位置関係となり厳しい状況に。
フィニッシュ位置を把握できてなかったという大失態があり結局オーバーセイルの位置まで。。。
セイムタイムでジャイブ!
何とか頭を出せてるがオーバーセイルリーチングなので状況は厳しい。
そしてパフでブローチングし上突破されて3位まで後退してしまう。万事休す。。
シーズン初レースで初めて乗る助っ人もいる状況ではやはりコミュニケーションが必要不可欠。
2レース目
オーバーパワーを感じたためリグは14ノットにセット。J2、A1.5をチョイス。
風の強弱は1レース目よりも激しくなってきた。相変わらず雨とともに風が変化する。
スタートは本部船寄りからスタート。
スピードビルドが上手くいかず加速に手間取りあまりいい位置ではない。
右の風を取りに行くために一番初めにタック。ロスゲインはなくスタートの順番で3位で上マークを回航。
SLED、SWING、MARTの順番で回航し一番先にSWINGがジャイブ。その後ろでMARTがジャイブ。
風速が落ちていたのでJ2からJ1.5へチェンジ。上マークでの秒差で下マークへ。ここから挽回しまっせぇ!というところで。
ここで今シリーズ最大のピンチが!
なんとコミュニケーションミスによりジブハリを飛ばしてしまうというアクシデント発生!!!
※ダウンウィンド時、ジブハリヤードをスピンステイスルハリヤードとして使用するために、下マーク前にはスピンステイスルをファーリングしてバウハッチに下ろし、ハリヤードをコネクトし直す必要がある
ジブを上げられないままジェネカーをテイクダウン。。。
スピンハリを使ってバウマンがマストに上りジブハリを回収。ジブハリをジブにコネクト、ジブアップ!文字に書くのは簡単だが2分もロス。涙
SLEDとSWINGがバチバチのレースをしている、SWINGが位置関係を嫌って一番初めに左海面へSLEDはそれをカバー。
我々は右海面の遠くに見えている風を拾いにポートストレッチ。
相変わらず風の強弱は激しいもののベースは落ち傾向になってきた。そして相変わらず雨とともに風が変化する。
リグを詰めたのでアンダー感があるがセイルチェンジしているのでなんとかパワーを保ててる。
なにかドラマが起きそうだ。
確実に右から濃いブローが降りてきている。
乱れる風の中、我慢しながらポートを走り待ってましたと言わんばかりのラッキーブロー。
ビッグヘダー!
タック!
クルー全員でスーパーハイク!みんな本気で諦めてない。
おおぉ~
景色がいい~
ここぞとばかりに思いっきりプレスして9ノットのスピードモード炸裂!!!
ジェネカーをA1.5からA1へチェンジでファイナルレグでの攻防の準備。
なんと2分のロスを取り戻しというかさらにゲインしてトップで上マーク回航!
右にシフトしたのでセットアンドジャイブ!
ここでもコミュニケーションミスにより「ジブダウンの先にジャイブ」の声が届いておらず??ジェネカーシートがジブにひっかかりスムーズにいかず。。。
しかしA1にチェンジしたおかげでアパレントウィンドアングルがバッチリ。
結局そのままのポジションをキープしポートタックのレグのままファーストホーム!
初日は悪いところが全部出た形でしたがなんとか総合トップで折り返すことが出来ました。(何年分のミスが出ただろ…苦笑)
そして迎えた最終日
約10マイルのショートディスタンスレース。
コースは大阪沖をスタートし神戸沖のブイを回る行ってこいのレース。
スタートから神戸沖ブイで1レース、スタートから大阪沖のフィニッシュに戻ってくるコースで2レースとなります。
最終日も初日と全く同じコンディション。。。。涙
少しだけ雨は弱まったのが唯一の救いかな。
この日はショートディスタンスなので前日ドックイン後にリーチングセイルのギアをフィッティング。
しかし予報通り北東の風でほぼ通常の上下コース。なんだかな。
J2、A1.5をチョイス。
スタートはダウンウィンドスタートになるので衝突のリスクがあり安全第一でスタートマニューバ。
スタートライン近辺は少し北っ気のパフが強くダウンウィンドでSTBが長いのでライバル艇に対して本部艇よりからスタート。
しっかり朝からブリーフィングしたおかげでスーパーホイストでスタートダッシュに成功!
ぐんぐん離しながらフリートをリード!
神戸沖ブイに対して北からMART、SLED、SWINGのポジションで一番初めにSWINGがジャイブ、相変わらず強弱が激しい中しばらく走り、SLED、MARTの順でジャイブ。
途中、ロスゲインはありましたが神戸沖のブイではMART、SLEDの順番で回航。
SLED、MARTの順でタック。SWINGがPortストレッチで伸ばす。タクテシャンはポイントの近いSWINGをカバーしたいということで先にタックしてカバーリング。(前日のラッキーブローも脳裏をよぎるし)
しかし
タクティクス、タッキングの精度がイマイチでタッキングマッチの末SLEDにリードを許してしまいがっぷりよつの横綱相撲で万事休す。
抜かれてしまったということに関しては課題を残す形となりましたが、タクテシャンとしては目的をしっかりこなしいい仕事しました。
そんなこんなでかなり濃いレース内容となったスプリングレガッタでした。
結果としては無事に優勝することができてうれしい限りです。
特に今年はマストリペアに時間をとられて1月と2月のポイントレースに出れなくて調整不足でしたがチーム力でなんとかかんとかという感じでした。
優勝 MART SPIRIT 2-3.5-1-2 8.5点
2位 SWING 1-5-4-4 14点
3位 SLED 3-DSQ-2-1 18点
4位 GRAN DESSE 5-1-5-7 18点
5位 NATSUKO 3-3-7-6 19点
6位 BLAU 8-6-6-5 25点
さて来月4月のKYCポイントレースを経てGWにシーボニアで開催されるゴールデンウィークレガッタに遠征します。課題は山積ですがしっかり準備して挑みたいと思います!