Carkeek40 GP MAST Repair

good memories

久しぶりの更新になります。苦笑

昨年から多忙を極めており全く更新できませんでした。。

毎日サイトに訪れていただいたセイリングマニアのみなさまごめんなさい。

さて今回はメンテナンス編です。

毎年、年間最後のレースを終えた次の日にマストアウトし翌年に向けてオーバーホールしてます。昨年も同じようにメンテナンスに入ったのですがマストのボトム部分にかすかな剥離が見つかりました。

マストヒールを外してチェックしてみると。。。 剥離が。。。

この部分はなん十トンものロードがかかるハイロードエリアです。

NSJ経由でNZのRIG PROにコンタクトして状況詳細、修理デザイン、マテリアル、工法や工程方法の指示など多岐にわたりメールでやりとりしました。

実際の作業はNIPPONチャレンジ時代から絶大なる信頼性を誇るライトハウス山本氏、レーシングヨットサービス田中氏に依頼。

そしてRIG PRO NZからスーパーバイザーを呼ぶことにしました。

全長20mのカーボンマスト
スプレッダーやEC-SIX(カーボンリギン)はすべてはずしチェック済です。

※Future Fibres EC-SIXは5年に一回バレンシアの工場で定期点検を受けています。

さて、明日から怒涛の作業が始まります!

剥離具合の確認
マスト内部にフォーマーを積層
白く見えているのがピールプライ。表面品質を確保する目的で、あらかじめ成形材料表層にセットする織物材。
成形後に剥がすことにより、サンディングなどによる接着面加工に相当する接着性も確保できます。
ヒーティング
温度管理
バッチリ面が出てます。
バッチリその2
バッチリその3
ここからサンディングに入ります。
損傷個所を丁寧にかつダイナミックに削っていきます。
何度も確認しながら削っていきます。カチカチのカーボンを削るのは大変な作業です。
積層を考慮して削る部分をわかりやすくマーキングします。
RIG PROプロジェクトマネージャーのJoshもサンディング
積層するためにテーパーにサンディングします。厚みに対して1:30のテーパーです。
カーボンの層がよくわかります。
ラウンド部分のテーパーは特に難しいですね。
前側部分のテーパーです。
年輪のようにカーボンの層が見えます。等圧線の間隔のようにテーパー具合がよく見えます。
サンディング完了

ここから積層の準備にはいります。

マストにトレースのためのマーキング、油圧シリンダー口が積層されてしまうので再度穴あけのためのマーキング。
カーボンに沿ってフィルムにマーキング

そして今回の主役たち

ウルトラハイモジュラスなプリプレグたちです。

※プリプレグとは、樹脂があらかじめ予備含侵された炭素繊維シートのことを指します。強化材として使用する炭素繊維に予め樹脂が予備含侵された素材を“カーボンプリプレグ”と呼んでいます。余分な樹脂が必要ないため薄さをキープできます。

左からグルー(接着材)CWR(綾織トップスキン)UD150、UD300
トレース作業
プリプレグにトレースしてカット準備
カットはUDの方向を0度、90度、45度、-45度。そしてオーバーラップ具合もアングルによってミリ単位の指示でカットします。
UD150、300をラミネートディテール(指示書)通りに50枚をカット。両面に剥離フィルムがついてます。
オールハンズでがんばりました。
積層がずれないようにトレースフィルムをセット
まず初めにグルー(接着剤)をセットしバキュームをかけます。

バキュームシートとバキューム用テープでバキュームパックを作成

バキュームポンプで-76kpaの圧力をかけます。

バキュームポンプのゲージ
グルーシートをバキューム中
ここから50枚のバキュームの旅が始まります。

ラミネートディテール通りプリプレグの厚み、アングルに気を付けながらバキュームを行います。

その数なんと23回!

小さい#1から始まり中間の#24
一回のバキューム10分間を繰り返します。
新西の夜は更けるのでした
50枚のプリプレグをバキューム完了

そしてエクストラでUD300を90度方向に3枚を1周づつバキューム(3回)

朝からはじめてここまでで19時、10時間ものバキューム作業でした。
剝離フィルムがしっかりはがされてラミネートされているか常にダブルチェックしながらの徹底した作業管理

そしていよいよヒートします。
ヒート準備
度重なる作業でバキュームフィルムやテープの劣化など材料のアクシデントがありましたが梅川さんのヘルプによりなんとかバキューム成功
温度管理のためのマスト表面温度センサー
マスト内部温度センサー
何度もバキューム状況を確認してヒート準備

-76kpaでバキュームしつつ95度以下で約12時間のヒートが始まります。

前半の7時間で上手く温度が上がらずに苦戦、結局トータル19時間のヒートになりました。
焼きあがりました。しっかりバキュームされています。
樹脂も均等にきれいに出てます。
かっちんこっちんです。
マスト前面
マスト後面

ボトム面

ボトムカット→成形(マストヒール)→塗装

マストヒールをつけて

完成です。

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