勝利を左右するチェイスボートワーク

good memories

OPからセイリングをスタートし長年ヨットレースをやってきてますが、その中で日大さくら、五輪キャンペーン、Cerezo、五輪キャンペーンコーチ、TP52スーパーシリーズ、Black、Mart Spiritなどなどでチェイスボートワークの重要性を肌で実感し数多くの優勝に貢献したと思います。

それらの経験を元にチェイスボート(サポートボート)の役割や運用方法を読者のみなさんに共有したいと思います。

はっきり言ってレースで本気に勝ちたいのであればチェイスボートワークは超重要なファクターです。

※ワンデザインルールによってはチェイスボート禁止のクラスもあります。

どんなチェイスボートが理想?

最低限の理想の話にします。(夜間航行用航海灯や航海計器、トーイングポストなどの装備は無しにして)

・安全にサイドバイできるインフレータブルボート(ラバーボート)

・レースボートのセイルの大きさ/長さが積める(ミドルボートでも最低6.5mはほしいですね)

・レースボートのフリーボードの高さとできるだけ差がない(安全で荷物トランスファーが楽ちん)

・海面チェック/情報収集の際に速攻で戻ってくる必要があるのでメッチャ速いボートがいいです

(FAST40+はダウンウィンドでBS16-20ノットぐらいなのでチェイスはコースの大外を走る必要があり35-40ノットは出ないとマーク回航チェックできません)

・ラフコンディションの高速運転でも安定して走れて、さらに人体(腰)に負担が少ないボート

・陽射しを遮るビミニトップは今や必要不可欠

チェイスボートキャプテン

ヨットレースを熟知しているセイラーが理想でレース中もレースボートのリアルな状況を把握できていてレースボートと安全にサイドバイできるドライビングテクニックが必要になります。

サイドバイするときの注意点

・お互いの準備状況をトランシーバーで交信(叫び声は海の上では全然聞こえません)

・レースボートは前方に障害物がないのを確認し低速(3~6ノット)で安定するアングルをキープ

・レースボートはトランシーバーでチェイスボートにトランスファー準備OKを伝える

・チェイスボートはレースボートへアプローチ開始、レースボートの船型を考慮してチェイスボートが後ろから近ずきサイドステイからスターンの間でサイドバイ(点ではなく面でサイドバイ)

※決め事としては荷物がスロットルレバーに当たった際の急発進事故を防ぐためチェイスボートのスロットルレバーと反対側でサイドバイ&荷物トランスファー

・トランスファーの際、基本的にはチェイスボートから先渡し、レースボートはあと(デッキスペースの問題)

またビミニトップフレームなどの構造物とヨットに挟まれてケガしないように注意してください。

・離れる時はチェイスが止まれば安全に離れられます。前進で離れようとするとチェイスボートのけつがレースボートを傷つける可能性があります。

■実際のレースでのチェイスボートワーク

おおまかな内容を以下に書きます。

これをもとに各チームのスキルに合わせオリジナルのチェイスボートワークを作って運用していただければと思います。

・練習用スタートラインの設置 (スタート前に必要であれば)
・バックアップセイル
・飲食料
・上マーク付近の風、潮流情報(スタートライン付近やコース半分エリアは自力で情報収集)
・レース海面の潮、流れ
・マークラウンディング撮影(できる範囲で)
・他チームとの比較(できる範囲で)
・フィニッシュタイム記録&計算
・フィードバック
・審問の場合は審問準備のため○○とアドバイザーはチェイスボートで先にハーバーバック

■基本搭載品

1.ブームカバー

2.シェード

3.フェンダー(3個)

4.もやい(2本)

5.ドリンク、食料

6.工具

7.スペアロープ(ランナー、ジェネカーシート、ジブシート、タックライン、リトリバーライン、ハリヤード、メッセンジャーライン)

8.セイル(当日決定)

9.ハンディVHF(コミッティ)とトランシーバー(レースボート)※もちろんレース中はスイッチオフ

ドックアウト
レースボートのドックアウトサポート
ドックの整理整頓(ごみ捨てなど)
チェイスボートドックアウト
レース海面に向かう途中にもやい(カラビナも)とフェンダーを受け取る(国内のレースは桟橋に荷物を置いて行けない)

メインアップ
メインカバー受取り
必要であればセイルの受渡し

スタート前

情報共有
ジェネカートランスファー ※ビーター(練習用)
バックアップ等最終判断 トランスファー
飲食料下し
スタート時刻までの様子を見て、1マーク付近の風の傾向と潮流チェック
※レースとレースの間隔が長くなるようであればチェックに向かう

レース中
インシデントが起こりそうな場面を録画
※自チームvs他艇 (各マーク15艇身の映像は必須)
※各マークでのラウンディングアクションも撮れれば撮る (映像画面は横)
他艇のセイルチェック
(※あからさまに撮らないよう配慮する)
各マークでの自艇と他艇のラップタイム管理

フィニッシュ後
飲食料
必要であればセイルの受渡し
各マークでの自艇と他艇のラップタイム管理
※タクティシャンないしナビゲーターへ連絡
※着順及び修正順位をタクティシャンないしナビゲーターへ連絡

ドックイン前
メインカバーを渡す
もやい(カラビナも)とフェンダーを渡す
修理が必要なセイルがあれば受け取る
ゴミを受け取る
レースボートより先にドックイン
ジェネカー修理で濡れている場合は早く修理作業できるようにできるだけ早く乾かす
レースボートドックインのサポート(もやい取り)
チェイスボートの片づけと翌日の準備
必要な場合は給油

以上になります。

さあ、まだまだ今シーズンもレースが続きます。

頑張っていきましょう!

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