KYC Spring Regatta 2025

good memories

第30回と節目の年となるKYC Spring Regattaは3/8-9の2日間でIRCクラス16艇、ミドルボートクラス11艇、KYC-Ratingクラス14艇の計16艇で5レース行われました。

ミドルボートクラスは春の関西ミドルボート選手権と併催となりおおいに盛り上がっていた模様です。

HPR40軍団の参加チームは、多数の国内トップセイラーが乗り込むSLED、今シーズン絶好調で負けなしの関西の名門SWING、そして昨シーズンのオータムレガッタ以降苦戦中のMART SPIRITのHPR40クラスが3艇とNewジェネレーションのクルーザーレーサーNeo430をはじめX35やMelges32、YAMAHA33などのミドルボートクラス11艇で全16艇の参加と昨年より5艇増えて盛り上がりを感じるレガッタとなり特にHPR40クラス3艇は今年もバチバチでタフなレースの連続となりました。

photo by KYC 多数の国内トップセイラーが乗り込むSLED (Botin40 HPR)

レースチームは毎年オフシーズンの間にしっかりとメンテナンスや改造を施しシーズンインのKYC Spring Regattaに照準を絞りテストセイリング/準備してきます。我々も艇齢13年のレースボートを丹念にメンテナンスし続けてレーシング状態をキープし今年も連覇に向けて挑戦です。

photo by KYC 今シーズン絶好調のSWING (Botin Fast 40)

初日の予報は北東の軽風から始まり東回りで南西に振れていくということで朝のブリーフィングでセイルチョイス、オンボードセイルはジブJ1.5、J2、S/S。ジェネカーA1、A1.5、をチョイス。

チェイスボートにはJ2.5、A1とA2を積んでいざ出陣!

曇空の下、東寄りの風で1レース、その後吹き出した南西の軽風にて2レース、風上ー風下のコースを計3レース実施しました。

1レース目

大阪湾では安定しない東風で上マークまで1.0マイル。

リグは10ノットにセット。J1.5、A1をチョイス。

見た目右海面がよく見えスタート前にも右からパフが入り始めたが、レースコースが一文字防波堤のすぐ近くということもありコース的には風の残りそうな左海面をキープしたかったのでアウターサイド側からスタート。

スタート直前に予想通り風が不安定となり左海面に風が残った分序盤からリード。

しかし風が不安定でBSも不安定でVMGがよくない、ビックリードしていたはずが後続艇に追いつかれる展開に。

他艇のポジション、コース、風に対してモードを切り替えながらしばらく格闘するもイマイチな状況。

セイルに風がきれいに流れてないフィーリングでアベレージスピードが悪かった。そもそも風が落ちているからしょうがない。TWDは右に回りながらTWS5ノット切ってきてるし。。

1分20秒先行で上マーク回航、セットアンドジャイブ。。

2番手回航のSLEDはサンブンカ。

ここから悲劇が始まる。。

レグはPortロングでどんどん風が落ち、、、ヘッドアップしながら嫌な予感

一文字を超えてきたパフを発見!SLEDとセイムタイムジャイブ!!

しかし、、

先にSLEDにパフが入りセイルオーバーされ。。。

S旗掲揚、コース短縮だ。

2レグで下マークフィニッシュとなり無念の2着。。。

まだまだ1レースが終わっただけ、気を取り直して「次いってみようぉ」

photo by KYC フィニッシュ直後・・・ 風弱し・・・ 後続艇はもっと悲劇なことに (涙)

2レース目

風待ち後いつもの南西のシーブリーズが吹いてきた。風は雪雲から降りてくるめちゃくちゃ冷たい風。

南西の軽風で上マークまで1.0マイル。リグは10ノットにセット。J1.5、A1をチョイス。

風の強弱は激しくまだまだ不安定。ただ時折おりてくるパフはソリッドな感じ。

スタートはアウター寄りからスタート。SWINGがスタートに失敗している模様、SLEDの動向をうかがうレース展開に。

右の風を取りに行くためにSLEDが一番初めにタック。しばらくして我々もヘダーが入ったところでタック。しかしその風は長くは続かずにどんどん右にシフトしファーストミートで前を切られチェンジサイド。ソリッドなパフが入りSLEDに追いつき上側でオーバーラップしながら上マークを回航。

いざホイスト勝負!

ハリヤードスニーク!相手のバウダウンを待って、ホイストっ!

3,2,1,フルホイスト!!

ジブダウン!

シートオン!

ナイスセット!

スーパーホイストでセイルオーバーに成功!スピードがいいのでアパレントが前な分バウダウンもスムーズ。

video by 小早

それにチームでひとつひとつのヒールアングル、前後トリム、クルーウェイト、そしてジャイブにも集中、

スタンバイ!

3,2,1,ジャイビング!

バウダウン、ファーリング

クリューの飛び具合を見ながらアパレントを意識した回転スピード、シートイーズ

風軸からのハイファーストでグラインダーをブン回してシートオン!セット!

ビックイーズ!スクォッシュ!シートオン!

バウダウン!ステイスルシートオン!

video by 小早

その後3回セイムタイムジャイブの攻防が続き危うい場面もあったがポジションキープのまま下マーク回航、やはりレース用のジェネカーは速い!

video by 小早

そのまま頭をカバーしながらなんとかかんとかファーストホーム!よっしゃ!ナイスクルーワーク!

しかし、結果的には4位と不本意な成績、そよ風が吹き上がってミドルボート集団がフィニッシュした模様。なんと150秒の間に6艇が入る大混戦。熱いミドルボート選手権、盛り上がってるようです。

photo by KYC 熱いレースを繰り広げ大混戦で下マーク回航のミドルボートクラス

3レース目

風は若干レンジアップしてるが相変わらず弱く雪雲から降りてくるめちゃくちゃ冷たく不安定な風。

上マークまで1.0マイル。リグは10ノットにセット。J1.5、A1をチョイス。

スタート前から3艇でバチバチとポジション争いをしながらラインナップ。

そして3艇は1分を切ってからもツータックしながら少しでもフリーウォーターのスペースを稼ぐのに必死です。一番アウター側のSWINGが40秒前にSTBに返し我々はハードアップでスペースを作り20秒前でバウダウン!プレスしながらスピードビルドしつつ高さを失わないようにトリムアップ、舵角、ヒールアングル、前後トリムに集中!

スタートはアウター寄りから3艇でスタート、SWING、SLED、MART SPIRITの順でスタート!SWINGがいいスタートを切っていてスピード競争がはじまる

タクテシャンはライバル3艇のトリムアップ後のBSをみながらすぐさまドライブモードをコール。

video by 小早

軽風アップウィンドではメイン/ジブ以上にランナーのトリムがとても重要でディフレクターが作用し[Iポイント]で不要なマストベンドを押さえてヘッドステイにダイレクトにテンションがかかりサギング量をコントロールすることによりジブのシェイプをコントロール。もちろん連動してメインのシェイプもコントロールできる。

レース中はパフ/ラル、リフト/ヘダーに合わせてモードを切り替えながら理想のボートポジションに持っていくために「カンカン」「ゴンゴン」トリムの音が響き渡る。

その音を聞きながらライバル艇の状況やモードをイメージしながらステアリング。

とてもわずかな差ではあるがドライブチームはパフが入った時のトリミング、パフが抜ける時のトリミング、ターゲットヒールアングル、舵角に集中、継続して常に外からの風の情報やライバル艇のモードを聞きながらボートスピードに関することを会話ループする。

軽風の会話ループで特に重要になってくるのが風による違いなのかトリムなどのテクニックの違いなのかボートパフォーマンスによる違いなのかを見分ける力だ。

その努力の積み重ねが上マークでどれだけ頭を出せたかにつながる。一切の妥協も許されない。

SLEDがシャドウを嫌って一番最初にタック。

我々はSWINGと共に初めのヘダーまでそのまま耐えてMAX振れたところで我々がタック、ワンテンポ遅らせてSWINGがタック、ポートタックのスピード競争。

SWINGがヘッドアップ傾向にあるのでカバーしに寄せのタック、スターボとなりSWINGの前方でPORTタックへ。SWINGはシャドウを嫌ってさらに左海面へ

不安定な風の中なんとかリードを広げて上マーク回航!

ホイストも絶好調!2分のリード!

後続艇は西っけの違う風でサンブンカ、我々は南っ気のバウダウンプレッシャー。

大きくセパレート!走れど走れどバウダウンプレッシャー、引き続きセパレート。嫌な雰囲気がよみがえるが風を信じてレイラインでジャイブ。風弱くオーバーセイル気味で下マークへ。

無事にリードを守り回航、C旗掲揚コースチェンジよしよし。そのままルーズカバーで2度目のファーストホーム!よっしゃー!ナイスワーク!

お待ちかねの今夜のクルーディナーは

はい、鰻です!

東京竹葉亭西宮店の鰻丼!(ご飯の中にうなぎが二重の豪華弁当!!)うなぎパワー全開で全員元気に明日のレースに英気を養います!

クルーディナーはチームのコミュニケーション、モチベーションアップには欠かせないレガッタのイベントの一つですね。酒が進みヨット談義に花が咲き、あっという間に夜が更けていきます。明日もレースだし0時には寝ましょう。

そして迎えた最終日、計22艇参加のオープンヨットレースの併催

約10マイルのショートディスタンスレース。

コースは大阪沖をスタートし神戸沖のブイを回る行ってこいのレース。

スタートから神戸沖ブイで1レース、スタートから大阪沖のフィニッシュに戻ってくるコースで2レースとなります。

予報では北東の風4-7ktから始まり最終的には北西の風10-12ktということで朝のブリーフィングでセイルチョイスは初日同様、オンボードセイルはジブJ1.5、J2、S/S。ジェネカーA1、A1.5、をチョイス。

チェイスボートにはJ2.5、A1とA2を積んでいざ出陣!

しかし!予報と逆の風が吹いている!

なんでやねん!

頭を切り替えてレースに集中します。春の到来を感じる暖かい日差しですが風は相変わらず冷たいです。これほんとにシーブリーズ?

スタートエリアでは南西の風が10kt前後吹く中、淀川の流れの影響で2回のゼネラルリコールを繰り返します。

コミッティは堪らずU旗を掲揚するとVHFでアナウンス。

風速は14ノットを超えだしました。ライバル艇はセイルをJ2に変えている模様、我々もどうしようか検討します。第一代表旗が降りています、時間はありません。

「どうしましょう?」「前回みたいに吹き上がってくるかなぁ?」(前回予報に反して吹き上がり大変なことになった苦い経験がw)

「4.7マイルあるからなぁ」

「うーん、セイル変えちゃうと風が落ちた時に対応できなくなっちゃうしな~」

「グルーブ一本しかないし、その時は下ろし上げか?w」

「うーん、すぐ落ちるでしょっ」ってことでセイルチェンジではなく

フォアステイを約20ミリ詰めてバットを後ろへ数ミリ、マストチューンだけで対応することにしました。バウダウンして油圧ポンプをポンピング/バットをソケットレンチで動かしものの30秒で完了。これも普段から役割分担で徹底されているチームワークの賜物なのです。

リグは12ノットにセット。J1.5、A1をチョイス。

U旗が掲揚されているのでスタートは慎重に。カットレースはありませんので出ちゃったら2レースアウトになってしまいます。

オープンクラスを含めたスタートになるので衝突リスクを回避すべく安全第一の低い位置でスタートマニューバ。

スタートは本部船側からSLEDが、アウター側からSWINGがトップスピードでジャストスタート!

我々は真ん中から凹んだ低い位置でグットスピードでスタート!スーパーハイクの戦いのはじまり!

video by MART

神戸沖ブイに対して北からSLED、MART、SWINGのポジションでスピード競争。

風は強弱を繰り返しながら南へとヘダー傾向で風速もアベレージで落ちてきた。下先行で頭が出ていたSWINGのところまで6分かかって行けたタイミングでヘダーに合わせてタック、SLEDの前を通り右サイドへ。SWINGタックしてPORTタックへ、またまたスピード競争。

SWINGがヘッドアップ傾向にあるのでカバーしに寄せのタック、スターボとなりSWINGがリード。

そしてSWINGが我々をルーズカバー、STBタックの3艇スピード競争。

風速が落ちだし我々のJ1.5がパワフルなので徐々に有利なポジションに。ナイスドライブチーム!

それにクルー全員のヒールアングル、前後トリム、にも敏感に反応しボートスピードに大きく貢献していて素晴らしい。

そしてライバル艇もしっかりシフトに合わせてタックを返してロスゲインはほとんど生まれない、ストイックに3艇でスピードトレーニングしているのではないかと錯覚してしまうぐらいだ。各チームレベルの高さが伺える。すばらしい。

感動している場合ではない、レースに集中w

神戸沖ブイに到達したころには風速は6ktまで落ちていたのでジェネカーはそのままA1をセット。

photo by KYC 4番手を走るのはニュージェネレーションのクルーザーレーサーのIRRESISTIBLE7(NEO430ROMA2.90)New Mainsailを新調しパフォーマンスアップ!

SWING、MART SPIRIT、SLEDの順で回航。ダウンウィンドはSTBロングとコールがありVMGモードでステイスルを開くかどうかの瀬戸際でパフのたびに開いたり閉じたりとトライ。風は落ち傾向ではあるが南からのパフのインパクトは風速の割に強いのでパフが入った時の加速感がよくいつもよりもアップ/ダウンのダウンを大きめなイメージでステアリング。

北っ気のパフが入りだしSWINGのジャイブを伺ったが返さないので我々は単独でジャイブし北上。昨日よりジャイブの回転スピードをアジャストしたのでジャイブロスも最小限。(クルーディナーのおかげ

シフトに合わせてジャイブバック、見事に前に出ることに成功。

アップウィンド時に大阪万博の夢洲や埋め立て地近辺の風がフローしている感覚や海況がおかしく感じ近寄りたくなかったので帰りのダウンウィンドではライバル艇をワッチしつつ北側にポジションをキープするようにした。

途中、本船の往来で2回コリジョンコースになったけど本船の行き先を確認してロスなくクリアできたことは大きなリードに繋がりました。

なんといっても最後まで集中力を切らさずにバランスを取り続けたクルー、トリムし続けたドライブチームのおかげで最高のパフォーマンスを発揮できたと思います。

最後は2分に差をひろげてファーストホームとれました!やったー!

実は・・・

今シーズンはじまってからクルーワークは上手くかみ合わず初歩的なイージーミスを連発したりトラブルに見舞われたり、予報が大きく外れてセイルチョイスをミスったりと苦戦を強いられておりました。

スプリングレガッタに向けて実戦を想定ししっかり準備できた結果だと思います。

やはり「いつものルーティンワーク」に勝るものはないですね。

引き続きいいシーズンにしていけるように切磋琢磨していきます!

photo by KYC 今シーズンも突っ走っていきたいと思います!

今回のレガッタの各クラスの上位艇は、

IRCクラス

優勝 MART SPIRIT(carkeek40GP)

2位 SLED (Botin40 HPR)

3位 NATSUKO(X-35MOD)

KYC-Ratingクラス 

優勝 NATSUKO(X-35)

2位 GRAN DESSE(X-35)

3位 A&A (Melges32)

ミドルボートクラス 

優勝 NATSUKO(X-35)

2位 GRAN DESSE(X-35)

3位 A&A (Melges32)

となりました。

photo by KYC NATSUKO(X35)今回もNYYCインビテーショナルカップへ向けてチャレンジ!みなさま乞うご期待!
photo by KYC 安定感の出てきたGRAN DESSE (X35)
photo by KYC 毎月台湾から遠征と熱心なA&Aチーム、寺山さんコーチングのもとメキメキと力をつけている印象です (MELGES 32 L/L)

優勝各艇の皆さまおめでとうございます!

参加者の皆さまもお疲れ様でした!!

私は今回もヘルムスマンとして参加しましたが軽風シリーズは本当に疲れますよね?頬に流れる風、足やお尻から伝わるパワー感、ティラーやフネから伝わるフィーリングを1ミクロンも逃すまいともう神経ビンビンに研ぎ澄ませてました。あー疲れた。

心地よい疲れをお風呂にあったまりながら癒しつつ次なるレースへ向けて妄想を膨らますのでした。

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