全日本ミドルボート選手権2025 初日レポート

good memories

7/19~21の三日間で和歌山セーリングセンターをベースに「全日本ミドルボート選手権」が開幕しました。

このクラスは、モノハル艇で全長8.90m 以上 11.0m未満の艇で、日本独特のミドルボートクラスと呼ばれK36-SAMURAI(TCC1.182)からYamaha-31 festa(1.010)の18チームが参加。

初日は10kt~24ktの絶好のコンデイションで4レース、二日目の20マイルのショートディスタンスレース、三日目最終日も8kt~16ktの絶好のコンデイションで3レース消化と計8レース行われ大会フォーマット通りで風に恵まれた和歌山らしい全日本になりました。

私は〈APHROS〉(KER33)のタクティシャンを拝命。「17歳夏。ひとつでも上をめざして」をテーマに頑張ります。

レース初日 インショア4レース

[Race1 310° 11knt 1.2nm]

西向きに開けた和歌浦湾にシーブリーズが吹き始めますが上マーク設定は310度(北西)です。

上マークは雑賀崎近くとなり影響でガスティーです。

スタートも無難に出て沖のパフを拾いにSTBを伸ばし、パフと同時にポートへ返し雑賀埼付近の複雑な風を拾い上マークアプローチ。ハイレーターと一緒に回航し沖側の強いパフを拾うためにSTBを伸ばしレイライン手前でジャイブ。プラン通りに下マーク回航。1上レグと同様に下マーク回航後にSTBへタックをして沖から入ってくるパフを掴んでPORTにタック。コース取りはプラン通りでまた雑賀埼付近に見えているパフを目指していましたが、徐々に風が落ちて不安定に。

先行艇も風弱く我々の方に向いていたので間違っていないと思っていた次の瞬間。

ポートが鬼上りだし一瞬のシフトバックで慌てて寄せるも万事休す。

1レグ目の失敗を修正し沖側のパフ/シフトを上手くつかんでビッグゲインした〈VOGUE〉(JND36)が1位とお見事でした。

我々は総合5位、クラス2位と微妙な感じで始まりました。

[Race2 250° 16.0knt 1.3nm]

風速も上がりリグを詰めてJ2にチェンジ、スタート30秒前にパフが入り左にシフトしたためフリートに対しては何とかかんとか持ちこたえていたがラインに対しては少し低く遅れることに。

このスタート前のシフトに上手く対応した〈WOODEN SLED〉 (K30W)の影響を受けながらハイモードでポジションをキープ。南側の高い山を越えてくるポートリフトを掴むためレイラインまで伸ばしタック。上マークは目の前。背中には我々よりパフォーマンスのいいハイレーターの〈NATSUKO〉がいるためポジションをキープするために要所要所でモードチェンジしながら上マークへ。

上マーク付近では予想以上のベンドしたPORTリフトが入りだしオーバーセイル。結局オーバーラップされてしまい上マークを5番回航!それでもエクセレント!(レーティングは18チーム中、下から5番目)

その後もハイレーターにバチバチやられましたが無難に走り手ごたえを感じながらフィニッシュするも。。

総合5位、クラス1位。なかなか納得できるような順位には届きません。

[Race3 240° 18.0knt 1.3nm]

20ノットオーバーの風がコンスタントに入ってくるのでリグを一番固めてJ3をセット。

ガッツリハイレーターに挟まれながら無難にスタート。

はじめのスピード競争で行きたいところまで伸ばせずにフリート形成を見ながら小さいパフで逃げタック。先行艇も合わせてタックしてきてくれてラッキー。もう一度左に返すタイミングを見計らう。

再度南側の高い山を越えてくるポートリフトを掴むためにいいプレッシャーを受けてタック。いい感じ。シフトにバッチリ合っているため最後のポートリフトでゲインし傷口は最小限でハイレーターと一緒に1上回航。〈NATSUKO〉などトップ集団も大ブローチング大会。20ノットですけど。ブローチングですか?練習が足りん!笑(国内レベルが下がっていることを痛感)

〈propaganda〉 (A35)もジャイブで失敗しジェネカーがフォアステイに巻いてしまうトラブル発生でリタイア。〈KARASU〉もハリヤードトラブルでリタイア。

我々もセイフティーセイリングに切り替えて下マークを回航。左海面に行くためにSTBタックへ。

海南港から出てくる低速の砂利船がいたために様子を伺うためにMaxヘダーまでは追わずにフリート形成を見ながらPORTへタックし状況を伺う。このレグでは全体的にプレッシャーが入っていたので左海面に拘らず純粋にシフトでタックしながら2上マーク回航。そのままセイフティーファーストを心がけ無難にフィニッシュ。

総合4位、クラス1位。やっと4位に。

[Race4 240° 18.0knt 1.2nm]

いい風が吹いているが時間的にシーブリーズが落ち始めるだろうということでリグはそのままでJ2にチェンジ。

スタートも無難に飛び出し有利な左海面まで両サイドX35に挟まれながらスピード競争。

下先行に〈GRAN desse〉(X35) 上側に〈NATSUKO〉。気の抜けない走りを今回メントリの脇永さん、ヘッドセイルトリマー北川君、今年からヘルムデビューのノブさんのスピードチームが神経を集中し一つ一つ風に合わせながらナイストリム/ナイスドライブを実現。他のクルーもスーパーハイクでスピードに貢献。

他のチームと比べてメインのフラッピングが少なくしっかりとメインが効いている。フォアステイのサギング、ドラフトコントロール、ジブのフットの浅さとツイストも申し分ない抜群のドイルセイル。

それに比べトップ集団でさえフラッピングが大きく全く走れていない。はたから見ていても明らかにセイルシェイプもよろしくなくチューニング不足が伺える。カニンガムやアウトホールのコントロールラインのアジャスト、バテンテンション不足やリーチコードもバタバタ。本当に全日本か?と思えるほど基本ができていないのはビックリ。せっかくいいセイルなのにセイルデザイナーが泣いているのが想像できる。

おかげさまでPORTレイラインまで走れたが(逆に連れてかれた状態)でPORTアプローチ。

そのまま4位で1上回航!エクセレント!

その後も先行艇団にカバーリングされながらも同じようなレース展開でフィニッシュ。

総合4位、クラス1位

しかし、ここまでいいレースをしているにもかかわらず4位以上に入れないというジレンマが

初日の成績

1位 GAIA 6-2-1-1 10点

2位 VOGUE 1-4-3-3 11点

3位 NATSUKO 2-3-5-2 12点

4位 APHROS 5-5-4-4 18点

5位 WOODEN SLED 15-1-2-11 29点

6位 GRAN desse 7-6-13-6 32点

硬く硬く「17歳夏。ひとつでも上をめざして」

テーマ遂行中です。

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