うなぎパワー炸裂!伝統の大阪湾レース!50周年記念大会

good memories

第64回目となる大阪湾一周オーバナイトレースが6艇と少数精鋭ながら開催されました。

コースは西宮スタート-淡路島洲本沖ブイ-西宮フィニッシュの約60マイル。大阪湾は本船の交通量が多く帆走禁止区域、明石海峡の流れ、友が島水道の流れ、反流、地形によるブランケットなどなど、なかなか攻略が難しくコースプランの決定には頭を悩ませました。

地元ベテランセイラーのNort sail高野氏、ロックマリンの岩ちゃんからの経験を元に情報を蓄積しました。

個人的には20年前に一度だけ出た記憶がありましたが、微風/無風の中のたうち回り散々な結果だった苦い経験しか記憶がありませんでしたw。(一番若造で経験不足でした、苦笑)

今回の予報は南風の微風からはじまり21時頃に15ノット程度の風が吹きその後、東に回りながら落ちていくという予報でした。

photo by KYC スタート前の儀式のラインワーク 3.2.1.ハイ!とバウマン色男のTOMO(えろ男)

スタートは19時、ドックアウト18時の時点ではまだ10ノットぐらいの風が残ってましたがスタート後早々に6ノットぐらいまで弱くなってきました。洲本までたどり着けるのか?長いレースになりそうな予感です。

スタートしてほぼ真上りで一文字西側の赤灯台を交わしてSTBクローズホールドで神戸六甲アイランド東水路中央浮標をまわり淡路島洲本沖に向かいます。まずは風の残りそうな岸沿いを走るためにタック。徐々に風速が上がり始めました。といっても10ノットぐらいかな。

Portタックのクローズホールドでパフでかなりリフトしはじめます。あたりは暗くなり始めたのでテルテールライトON。計器の数字に集中しますが。なんか表示がおかしい。AWAとTWDが不安定でありえない数字を出します。。ウォンドオフセット値を治してみます。

風が安定し始めました。今夜は南風の勢力が強そうと判断しヘダーしたところでタック、南風をもらいPortタックでリフトを受け洲本へアプローチするためにSTBタックで関空に向けます。順調に走り風速も14ノットで安定してきました。

J1.5(ライトミディアム)で突っ張ります。本当にここまで風速が上がってくるとは思っていなかった。

「16ノットを超えたらセイルチェンジかな?」「シングルフォイルだから下ろし上げか、結構ロスになるな」風速も上がりながら左にシフト反対タックが長くなったのでPortタックへ。

風波と潮の向きが逆のため非常に走りにくい。

ヘッドセイルトリマー高野さん、メントリ伊勢ボン、ランナー岩ちゃんのスピードチームが波に負けないようにパワフルにかつヒールしすぎない絶妙なバランスにトリムしてくれるので走りやすく風速も16ノットを超えてきた。ランナーテンションもかなり入っている(いまだにフォアステイロードセル復旧せず。。)

洲本沖ブイに向いてきた!いいぞぉ。いい感じ。

時折20ノットのパフがリフトで入ってメンバラしはじめる。ランナーテンションもマックス(アナログで)ビックツイストでクローズリーチアベレージでBS9ノット。

あ、洲本回航1時間前コール。「へい、しり。〇〇さんに電話」ヘルムを取りながらロールコール。

洲本の街明かりでブイがみえない、潮流的にも最後にビックバウダウンしたくなかったのでnewpecのウェイポイントよりも若干低く走りブイを探す。予想通り淡路島のブランケットで風速は弱くなってきた。

3マイル手前でそれらしきブイがみえてきた。「あれだ!間違いない!」ヘッドアップしてマークへ向ける。

時間を聞くとまだ日付が変わっていない、「お、なかなかいいペースじゃん」

photo by KYC 今回は8名と少人数でマニューバできるぎりぎり人数で挑戦

23:11:10 洲本沖ブイ回航

タックバウダウンで今度は神戸六甲アイランド東水路中央浮標に向ける。

軽風予想だったためダウンウィンドセイルはA0とA1しか積んでいない、A1ホイスト準備にかかる。

ミッドナイトなので時間をかけてダブルチェックでホイスト準備。

するとさっきの強烈なパフが入ってきたのでA1キャンセルでJIBアウトサイドシートで様子を見ることに。バックアップでA0はオンデッキ。風が安定してきたのでA0セットに変更。ん、風が弱くなってきたので「やっぱりA1で!」そうこうしているうちにミスコミュニケーションで下側のジェネカーシートが船内のスルーデッキの中へ入ってしまった。。OMG!

船内に積んである2ミリのステンレスロッドでジェネカーシートチューブに通しなおしA1ホイスト!ナイスリカバリー!

スピードを立て直し快調に走り出す。

しかしその風はつかの間でどんどん弱くなってきた。「こりゃ腹ごしらえだな」よし、お湯を沸かそう!

「やかんが無いっす」と飲食料係でスーパールーキー愛されキャラの海翔

ええええええええええ!?マジっすか!?死活問題(個人的には)

仕方ない、出る前に沸騰させた熱湯を岩ちゃんの魔法瓶に入れてきたのでそれを直接使おうということになりカップヌードルにお湯を注いでもらう。

ん~全然いける。沸騰から8時間ぐらい経ってもかなりの保温力。

そしてさすが日清カップヌードル、おにぎりとの相性も抜群!

そうこうしているうちに随分と風が弱くなってスケーティングモードに。

明石海峡大橋の方から西っ気の風が入り始めたのでジャイブし神戸へヘディングを向ける。

どんどん落ちてきた。昔の嫌な経験がよみがえる。

より集中力を持続させるために「コーヒーお願いしますっ砂糖、ミルク入りで」昼間に桟橋を通りがかった淑子姉さんに「今日何してるんですか?空いてたら乗りません?」と声をかけ急遽乗ってもらった淑子姉さんにお願いした。おいしいコーヒーを頂きパワー回復。

停まってる本船の手前で神戸六甲アイランド東水路中央浮標に向けてジャイブ、STBタックへ、もう一度ジャイブしてアプローチ。最後、私だけ浮標を見落として危うくオーバーセイルしそうになり苦笑

大坪さんが強く主張して教えてくれたおかげでオーバーセイルは免れましたw

ジェネカーテイクダウン→回航→A0ホイスト!

ナイトセイリングでもマニューバは昼間とほぼ変わらないクルーワークは本当に素晴らしい。

A0でBS10ノットで快走!

2:54:17にフィニッシュ!

今回は凪に捕まることなく走り続けファーストホーム&優勝となりました。
勝因は何といってもレース前のランチ!土井オーナー自らが買ってきてくださった東京竹葉亭の鰻丼!(ご飯の中にうなぎが二重の豪華弁当!!)うなぎパワー全開で全員元気にレースを楽しめました!

運営されたKYCの皆様、夜通しのワッチ大変だったと思います。そして参加された皆様、お疲れ様でした!ありがとうございました!

大阪湾レース 情報元 中野 誠

大会  年  日付  優勝艇  オーナー

1 1975 (9/11-12) グリーンパワー(大浦 光男)

2 1976 (3/20-21) ランスルーⅢ (松本 明)

3 1977 (3/18-19) ブルームスティックⅢ (増村 幸夫)

4 1978 春(3/18-19) ポイントゲッター( 西浦 稔)

5 1978 秋(11/18-19) 四サムライ (山村 彰)

6 1979 春(3/17-18) コテルテル2 (山口 照雄)

7 1979 秋(11/3-4) トーゴⅥ (山田 東吾)

8 1980 春(3/22-23) バイバイチャッピー (吉村 一平)

9 1980 秋(11/8-9) ブロンコⅡ (堀内 恒夫)

10 1981 春(3-20-21) ミッドナイトフラワー (田中 良三)

11 1981 秋(11/14-15) コテルテルⅡ (山口 照雄)

12 1982 春(3/20-21) トーゴⅦ (山田 東吾)

13 1982 秋(11/ 6-7) クリスチーヌⅦ (朝日放送(株))

14 1983 春(3/19-20) 青波行 (原 均)

15 1983 秋(11/10-11) ミスターグーフィー (玉井 学)

16 1984 春(3/20-21) 青波行 (原 均)

17 1984 秋(11/24-25) カザ7 (深見 祐二)

18 1985 春(3/24-25) カザ7 (深見 祐二)

19 1985 秋(11/24-25) 青波行 (原 均)

20 1986 春(3/22-23) ウィル (小田 良司)

21 1986 秋(11/23-24) 青波行 (原 均)

22 1987 春(3/20-21) インプレッション (三木 明)

23 1987 秋(11/22-23) 青波行 (原 均)

24 1988 春(3/19-20) トーゴⅩ (山田 東吾)

25 1988 秋(11/19-29) ブルーサンシャイン (皆川 秀夫)

26 1989 春(4/29-30) 六兵衛 (森本倉庫(株))

27 1989 秋(9/23-24) サチⅢ (福原 幸洋)

28 1990 春 ノーレース

29 1990 秋(9/8-9) サチⅢ (福原 幸洋)

30 1991 春(6/8-9) ノーレース

31 1991 秋(9/22-23) チャチャ (山村 彰)

32 1992 (6/6-7) カリーニョ8 (古川 浩二)

33 1993 (6/5-6) スイングベッカン (鈴木 重行)

34 1994 (6/18-19) スイング (鈴木 重行)

35 1995 (6/17-18)スイング (鈴木 重行)

36 1996 (6/15-16) ノーレース

37 1997 (6/14/15) タック (小出 拓巳)

38 1998 (6/13-14) ドンキー (土井 収二)

39 1999 (6/12-13) サマーガールJr (馬場 益弘)

40 2000 (6/3-4) 右近 (坂上 一幸)

41 2001 (6/9-10) ゴリラ (松室 八郎)

42 2002 (5/25-26) スイング (鈴木 重行)

43 2003 (6/8-9) フェアーウインド (己斐 健一)

44 2004 (6/5-6) サマーボーイ (辰井 栄一郎)

45 2005 (6/4-5) サマーガール (馬場 益弘)

46 2006 (6/3-4) ミッキー (清水 英明)

47 2007 (6/2-3) カリーニョ (古川 浩二)

48 2008 (6/7-8) ワイレア (濱口 仁)

49 2009 (6/6-7) スエコ (今村 吉男)

50 2010 (6/5-6) サマーガール (馬場 益弘)

51 2011 (6/4-5) スイング (鈴木 啓介)

52 2012 (6/2-3) クラリスフォルテ (中野 誠)

53 2013 (6/1-2) ラパンブルー (半田 齊)

54 2014 (5/31-6/1) ABC (吉田 哲郎)

55 2015 (6/6-7) タム (為広 慎二)

56 2016 (6/11-12) タウドラコニス (池田 廣重)

57 2017 (6/10-11) リンクワークス (神戸大学)

58 2018 (6/2-3) キネキネ (小林 広典)

59 2019 (6/1-2) キネキネ (小林 広典)

60 2020 (6/6-7) カウラ (川谷 芳郎)

61 2021 (6/5-6) カウラ (川谷 芳郎)

62 2022 (6/4-5) アマンダ (安藤 慎)

63 2023 (6/3-4) 赤兎 (後藤 憲治)

64 2024 (6/1-2) マアトスピリット (土井 良太)

65 2025 ?????

photo by 中野 誠 伝統の大阪湾レース優勝カップ
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