Diners Club NIPPON CUP 2023 葉⼭スプリングシリーズ IRC‐Aクラス 優勝!

good memories

4月15、16日、葉山マリーナで「Diners Club NIPPON CUP2023 葉山スプリングシリーズ」が開催されました。

今シーズンの開幕戦となる今大会は強烈な寒気を伴った前線の影響で非常に不安定な天気と風に翻弄された2日間で4レースを実施し今回も〈APHROS〉Ker33のタクテシャンとして参加させていただきました。

今回のトピックは何といってもAクラスにクラス分けされていたこと。

我々のレーティングは1.031

で考えると通常はBクラスのはずなのになぜかAクラスにクラス分けされている。

ちなみにAクラスはアフロスを入れて参加11艇でレーティングバンドは1.117~1.043、40ft~35ftで一つ上のX-35でも12ポイント差。。

Bクラスは参加6艇と少なく1.028~0.991、33ft~30ftで一番近いY33で3ポイント差。

我々は1.031。ボートサイズも33ft、クルーナンバーも7人で他のAクラスは8人以上で参加艇数のバランス的にもBクラスです。

なぜに?Aクラス?

レースコミッティに質問をしましたがレース公示に記載されている言葉で「IRC クラスは DLR と TCC を考慮してクラス分けしました」と回答をいただきましたがまったく納得できず。

まあHMYCコミッティ側の事情も諸々あるでしょうから正々堂々と戦うことにしました。

「勝つしかない」逆に気合が入り闘志に火がつきましたw

ハチャメチャな初日

朝から冷たい雨、無風、憂鬱な気分でレース海面に向かいました。

海上チェックインを済ませ、冷たい雨の中長い風待ちが始まります。。。気温も低くまるで極寒修行。

キャビンの無いメルジェス20なんかはシェード代わりにメインセイルをかぶって冷たい雨をしのいでいます。

濡れて冷えて体温も奪われホントにかわいそう。

ヨットレースは風が吹いてなければ雨天延期/中止に、少なくともAP+数字旗で延期されるべきです。各マリーナの都合等あるので難しいかもしれませんが将来のヨットレースの発展を考えて理解をいただき極力努力すべき点かと思います。

昼前にやっとそよ風が吹いてきましたが全然安定しません。

時折西からも吹いてきます。

Race 1 IRC Class Division A

Start Time 12:05 Wind Condition: 345 deg, 7 kn
Couse: 4 Leg , 4 mile

雨が降っていて視界も悪く風も上マークも全然見えません。。

本部船の上マークの位置ボードと先にスタートしている他クラスだけが頼りです。

スタートは本部船サイドからスタートしますがひとつ上側のX35にスピードで負けて被され行きたいところまで伸ばせず一番最初のヘダーでタック。

ポイントポイントで風の吹き方が全く違い非常に難しいですがこの艇は軽風でタックのロスが大きいため最小限のタックで上マークへアプローチ。最後の最後でポートエンドのアプローチラインに風が入り思ったほど伸びず。やはり12ポイントも離れている最小レーティングは非常に厳しいと実感。

無難に上マーク回航しパフの抜ける前にジャイブ。ん?なんかおかしいな?と思ったらジェネカーシートの通し方が間違っている!ジェネカーシートをぬいて慌てて通し直すもやはりロス!

下マークへはPortでヘダーが続きレイライン手前でジャイブ、STBアプローチでなんとかオーバラップしてインサイドで回航。

2回目のアップウィンドはダウンウィンドで体感した北から北東系の風を利用して右海面をチョイスしゲイン。さらに右にシフト傾向なので2上はサンブンカセット。アクション的にはイマイチでも位置的には大成功でゲイン。

最後はタイトリーチでジェネカーダウンに備えてジブアップ。3枚張りでフルハイク!

後ろから猛追する最大レーティングのJ121をおさえて着順6位の修正2位。好発進!

最大レーティングJ121に猛追される最小レーティングKer33のフィニッシュライン間際の攻防

Race 2 IRC Class Division A

Start Time 13:50 Wind Condition: 40 deg, 8 kn
Couse: 4 Leg , 4 mile

2レース目も風向が変わったぐらいで相変わらず冷たい雨が降っていて視界が悪い。

スタートはスピードに乗れず早いタイミングでタックして右展開。背中の左海面がぐんぐん伸びていますが左の北風は遠くて使えない位置にいるため風に合わせ丁寧に右海面の風を拾いながら上マークを目指します。

レグの半分ぐらいで右からの風が一瞬入りうまくカムバックでき上マークを回航。STBロングなのでそのままベアウェイセットで左の北風を掴みながら下マークへ向かいます。

我々はジェネカーボートなのでスピン艇よりもヘディングが高いためジャイビングアングルが広くなります。後続艇の艇団と風をワッチしながらレイライン手前でジャイブ。案の定後続艇団もジャイブ、苦しい状況になりますが後続艇団も後続艇団の中で争ってハイモードで走っているため後続艇団よりもうまくローモードで走れてピンチを脱出。

風速が落ち下マークゾーンは大混戦になると予測し内側の艇にオーバラップしない位置のSTBレイラインでジャイブとともに「ノーオーバラップ!ノールーム!」と内側に入ってきそうな艇に対してコール、と同時に外側艇には「オーバラップ!」ルームを要求。案の定ゾーン手前で大混戦で失速しながらゾーンに入ったが内側艇2艇のMAT1070とY33がルールを無視して無理やり内側に入ってきた。

仕方がないので接触を避けつつREDフラッグとともに「プロテスト!」

畠山ヘルムスマンのナイスなステアリングで衝突を避けつつ2艇に譲る形で下マーク回航。

C旗とホーンが鳴ってるがマークボートが遠いし表示板が小さくて見えない、おまけにクラスフラッグのグリーンとピンクがチェンジマークの「グリーン、レッド」が紛らわしい。

回航後も何度も「プロテスト」と声をかけたが応じる様子が全くない。非常に悲しい。

まあいいや、ぶち抜いてやる!と心に火が付く。

アップウィンドとダウンウィンドで左海面の北風がよかったので迷わずタックして左海面へ。

どんどんいい風が入りポートのレイライン手前でタック。しばらく走るとチェンジされた上マークは目の前に。反対サイドの右海面に伸ばした艇団は霞んでる。よっしゃー!ナイスゲイン!

2上はノーマルセットでSTBロング、そのまま風に合わせて走ってフィニッシュ。

着順5位の修正2位

初日は2-2の1位で折り返す。なんとAクラスで1位!上出来、上出来。

終日冷たい雨が降り濡れて身体が冷えて極寒修行の初日。

ビッグウェーブな2日目

2日目、雨は上がりいい天気ですが前線の影響で強風予報。

三崎沖は朝から25ノットオーバーで大きなうねりが入っている。

RCポリシーには風速5ノット~25ノットと記載されているので今日はレース厳しいかもなと思いながらもドックアウト前の準備に入ります。

セイルチョイスでA2を2枚、ジブもJ2とJ3だけでいいかな?と話し合いましたがドイル長谷川さんが葉山沖はどうなるかわかんないからとアドバイスをもらいJ1も積んでいくことに。

8:30にドックアウト早速吹いているので波の無い諸磯湾内でメインアップ。

葉山沖のレース海面に向かいますが2艇が早い判断でリタイアして戻ってきます。

網代埼ブイ付近は26ノットオーバー吹いていますが一応レース海面に向かいました。

亀城沖付近まではコンスタントで25ノットオーバーでしたが葉山に近づくに連れて風速はどんどん落ちていきスタート海面についたころには10ノットアンダーまで落ちていました。うねりは残っていましたが。

J1積んでってよかったと胸をなでおろしました。

Race 3 IRC Class Division A
Start Time 10:35 Wind Condition: 210 deg, 10 kn
Couse: 4 Leg , 4.4 mile

スタート前ずーっと海をワッチしてジブのチョイスに迷いますがドーンとひと風吹いてきました。

さっきの三崎沖で吹いていた風が入ってきたなと思いこれは吹き上がるぞとリグを詰めてJ3をホイストしアウター側からスタートしました。しかしその風は一瞬で強弱の激しい不安定な軽風に戻ってしまいました。

ジブ&リグともにミスマッチの状態で当たり前ですがスピードでついていけず走り負けます我慢しながら左サイドのパフをギリギリ掴める位置でタックを返しますがやはり奥まで行った背中の艇団がじりじりとゲインしていきます。我慢のセイリングで上マーク回航。

すかさずジブをJ1にチェンジ。風はどんどん弱くなり西に振れていきます。下マーク付近は風がなくなり先行艇団に追いつき再スタートです。

うねりのトップとボトムの風の変化ととても不安定な風。セイルをパワフルにセットしますが波だけが残り非常に走らせづらい状況が続きます。右海面の一番西に振り切ったと思われるタイミングでタック。

しかし少し浅いところで返したため思ったほどゲインできず背中の艇団に対してはすこしゲージを離される傾向でしたが最後のポートアプローチ付近のパフでプラマイゼロに復活。

最後のダウンウィンドレグはポートロングなので2上回航後は早めのジャイブ。

うねりでなかなか上手くジェネカーが張れずに苦戦しましたが着順5位の修正3位となりました。

富士山をバックにうねりの残るダウンウィンドに苦戦中

Race 4 IRC Class Division A
Start Time 13:20 Wind Condition: 240 deg, 20 kn
Couse: 4 Leg , 4.8 mile

時間的にも最終レース。

カットレースがなくなるので絶対に落とせない最終レース。

やっと南西から16ノット~20ノットのいい風が吹いてきた。今度こそリグも詰めてJ3の出番。

スタートもよかったがライバルのX-35に被される嫌な位置に。ポートレイラインで艇団がタックを返してくる前にポジションをキープするためにレイライン手前でタック、上マークまでスピード競争。やはりじりじりとおいて行かれるがなんとか食らいつき上マークを回航。

時折サーフィングしながらワンジャイブイン。

吹き上がる風の中下マーク回航はセイフティーにキッチリジェネカーを回収。上手く下マークを回航。

右海面からどんどんいい風が入ってくるので右に伸ばしている先行艇を追いかける形で右展開。大きなヘダーでタックして左海面にいった艇団に対してはかなりいい見え方でしたが上マークが近づくにつれてそこまでゲインしていない。さすがに35ft以上の艇団は速い!痛感w

バウダウンファーストで2上回航。

サーフィングを繰り返しそのままフィニッシュ!着順6位の修正4位。

フィニッシュ前のブローチングは内緒ですw

勝利の美酒

結果は2-2-3-4でなんと優勝! アフロスチームの皆さん、おめでとうございます!

今回の勝因

宿泊先のご飯が朝晩ともにボリューミーでめちゃくちゃおいしかったことです。NIPPON CUP 2階級制覇のゲン担ぎにまた泊まりたいと思います。三崎の定宿にしたいです。

もとい

近年稀にみる不安定なコンディションでライバル艇がスコアメイクに苦しむ中、我々は崩さずにPer3にまとめられたことです。

4レースで11点の平均得点は2.75点でしたがまだまだ荒削りなのでターゲットレースに向けてもっともっとストイックに課題に取り組む必要があります。

さー、今年もAphrosチームの活躍に目が離せません!

HPクラス

優勝 GAIA (K36-SAMURAI)

2位 SPANK (K36-SAMURAI)

3位 ENTERPRISE LILY (K36-SAMURAI)

IRC Aクラス

優勝 APHROS(KER 33)

2位 GRAN DESSE(X-35)

3位 BLUE LILY(X-35)

IRC Bクラス

優勝 ADONIS (YAMAHA 30SN MOD)

2位 KINGYO (YAMAHA 33S)

3位 KAIENTAI (YAMAHA 33S)

メルジェス20クラス

優勝 TRINITY 

2位 Tempus6

3位 INSPIRE

U30クラス

優勝 Republic of Koajiro 

2位 GRADs 

3位 Milky Way V

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